TerraMaster F4 SSD NASを開封レビュー:SSD性能を手軽に、リーズナブルに!

TerraMaster F4 SSD NASの正面外観。マットブラック筐体にTERRAMASTERロゴ。 Amazon商品のすゝめ
TerraMaster F4 SSD NASの正面デザイン。シンプルで無骨なスタイルが特徴。

「TerraMaster F4 SSD」は、4ベイのオール・フラッシュNASとして、家庭やスモールビジネス向けに登場しました。他メーカーの同等モデルと比較して大幅に価格が抑えられており、それでいて速度・静音性・拡張性を兼ね備えた「理想のエントリーモデル」として評価しています。

主な特徴とスペック

まず、このNASがなぜ注目されているのかをシンプルにまとめると、以下の通りです:

  • 価格:7万円未満で競合製品と比べて格安。セールならさらに安い。(円安影響はあるが、、)
  • フォームファクター:コンパクトかつ静音(19dB スタンバイ時) — 小型デスクトップにも設置しやすい。
  • M.2 NVMe SSD ×4(PCIe Gen3×2 ×2スロット、Gen3×1×2スロット)対応
  • CPU:Intel N95 クアッドコア、メモリ:初期8GB DDR5(最大32GB)
  • ネットワーク:5GbEポート ×1、USB 3.2 Gen2 Type-A ×2、Type-C ×1など充実。
  • OS:TOS 6.0 を搭載、TrueNASやProxmoxなどの代替OSも導入可能。

このようにハード・ソフトのバランスが、パフォーマンスとコストを両立させる鍵となっています。

TerraMaster F4 SSD NASの正面外観。マットブラック筐体にTERRAMASTERロゴ。
TerraMaster F4 SSD NASの正面デザイン。シンプルで無骨なスタイルが特徴。
TerraMaster F4 SSD NASの外観。コンパクトで静音設計のSSD専用NAS筐体。
TerraMaster F4 SSD NASは、最大4台のSSDを搭載できる静音・高速なネットワークストレージです。

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コンパクトで静かなデザイン

本体サイズは 138×60×140mm、重量わずか600gという極めてコンパクトなNASです。冷却は本体を「チムニー効果」の効く構造にし、底部の静音50mmファンから冷気を吸い上げ、熱を上部から排出する設計です。寝室においてもHDDと違い稼働音は聞こえません。

背面のサムスクリューを外せば簡単にアクセスでき、メモリやSSDの増設も工具不要で行える点もユーザーフレンドリーな設計といえます。当方が所有するF4-423はネジを外す手間があり、大きな進歩といえます。

SSD構成とパフォーマンス

M.2 2280フォームファクターのNVMe SSDを4枚搭載可能で、RAID設定にも対応(TRAIDなど柔軟な構成が可能)。SSD単体でも高速ですが、RAID構成により速度と信頼性のトレードオフが実現できます。

ただし、PCIeレーンの割り当てには非対称性があり、性能面で若干のボトルネックが発生する可能性もある点は注意が必要です。

TerraMaster F4 SSD NASの内部基板。4つのNVMe PCIe 3.0スロットを搭載。
TerraMaster F4 SSD NASの内部構造。最大4枚のNVMe SSDを装着可能。

また、PCIe3.0であり4.0ではありません。最近は3.0も4.0もそこまで値段差がありませんが、規格上3.0が上限ですので、4.0や5.0のNVMe SSDを選んでも早くはなりません。そもそもLAN側の規格上限により、上記SSDの速度差は気にするほどでもありませんが。

この記事では既存で所有していたSSDを流用したため、Gen4の2TBを利用しました。

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CPUとメモリ側の基盤にはかなり大きなヒートシンクが装着されています。CPUがN95であれば低消費電力のためここまで発熱するとも思えませんが、熱くなるよりは安定稼働ができるため良いことだと思います。

TerraMaster F4 SSD NASの内部構造。冷却ヒートシンクと装着されたSSDが見える。
TerraMaster F4 SSD NASの内部。M.2 SSDスロットと冷却用ヒートシンクが搭載されている様子。

メモリは標準で8GBが搭載されており、最大32GBまでサポートされています。Dockerなど利用したい場合には、メモリ増設を検討しても良いかと思いますが、一般的なNAS使用であれば増設は不要です。

ネットワーク性能:5GbEのメリット

従来のギガビットLANに比べ5倍の速度を誇る5GbEポートを搭載。高速なファイル転送や4K動画編集用途に活きる仕様です。当方の所有するF4-423は2.5GbpsのNICが2個搭載されていますが、LAGを組んでも5Gbpsでの転送はできませんでした。それを解消するのがこちらの製品です。

TerraMaster F4 SSD NAS 背面ポート。LANケーブルと電源ケーブル接続済み。
TerraMaster F4 SSD NASの背面ポート。USB、5GbE LAN、HDMI、電源端子を備える。

簡単なOSセットアップ

Just a moment...
TerraMaster F4 SSD NAS 製品ページのスペック紹介画面
TerraMaster公式サイトに掲載されたF4 SSD NASの製品紹介。4コアCPU、16 Execution Unit GPU、8GB RAM、5GbEポート、M.2×4対応、4Kマルチメディア再生対応などの特徴を掲載。

詳細は上記メーカーホームページの「ユーザーガイド」が非常に見やすくなっていますが、画像付きで簡単に説明します。
また、初めに断っておきますが、スーパーユーザーなどはセットアップ時のみで、利用時には変更しておりますので、セキュリティ的な観点よりお気遣いいただく必要はありません。

OSセットアップ

NASを電源に接続し、電源ボタンを押して起動します。ここで驚いたのが起動速度です。F4-423よりはるかに早く起動します。

その後、Webブラウザを起動して「http://tnas.local」にアクセスします。あとは画面に表示される内容に従って操作するだけで準備完了です。

TerraMaster F4 SSD NAS 初期設定画面。TNAS OSインストール前の状態。
TerraMaster F4 SSD NASの初期化時に表示されるTNAS設定画面。OSインストール前の注意事項が記載されている。
TerraMaster F4 SSD NASのTNAS初期化画面
TerraMaster F4 SSD NASの初回起動時に表示されるTNAS初期化ウィザード画面
TerraMaster F4 SSD NASの初期化画面。Bootloaderのオンラインダウンロードと手動アップロードの選択肢が表示されている。
TerraMaster F4 SSD NASの初期化時に表示されるBootloaderロード画面。オンラインダウンロードと手動アップロードの2つの方法から選択可能。
TerraMaster F4 SSD NAS 初期化画面。ブートローダーをロード中。
TerraMaster F4 SSD NASの初期化時に表示されるブートローダー読み込み画面。
TerraMaster F4 SSD NASの初期設定画面。2台のNVMe SSDドライブを選択している様子。
TNAS初期化時のハードドライブ選択画面。2基の1.86TB NVMe SSDが認識されている。
TerraMaster F4 SSD NAS 初期化時のデータ消去警告画面。NVMe Disk 1とDisk 2が初期化対象。
TerraMaster F4 SSD NASの初期化時に表示される警告ダイアログ。接続されているNVMe SSDが初期化され、全データが削除されることを示している。
TerraMaster F4 SSD NASのTOSパッケージダウンロード画面。オンラインダウンロードまたは手動アップロードを選択できる。
TerraMaster F4 SSD NASのセットアップ中に表示されるTOSパッケージのダウンロード選択画面。
TerraMaster F4 SSD NASの初期化中画面
TerraMaster F4 SSD NASが初期化プロセスを進行中の様子
TerraMaster F4 SSD NASの初期化中に表示されるTOSインストール画面。進行状況バーが60%を示している。
TerraMaster F4 SSD NASのセットアップ時、TOS(TerraMaster OS)のインストール進行状況が表示される画面。ここでは60%まで進んでいる。
TerraMaster F4 SSD NAS 初期化後の再起動待機画面。残り時間4分49秒。
初期化完了後、再起動が行われるTerraMaster F4 SSD NASの待機画面。

ここで一度接続が切れたため、再接続が必要でした。ブラウザにNASのIPアドレスを直打ちすれば、再接続できました。

tnas.localへのアクセスエラー画面。DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAINエラーが表示されている。
TerraMaster NASにアクセスできない場合のブラウザ表示例。DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAINエラー。
TerraMaster NAS初期設定時のユーザー使用許諾契約(EULA)画面。
TerraMaster NASの初期設定で表示されるユーザー使用許諾契約(EULA)。利用前に同意が必要。

ここでアカウント名を間違えて、「ToruTori」とするところを「TotuTori」としてしまい、後からサインインできなくて困りましたが、動画を見返したところスペルミスしていたことに気づき、事なきを得ました。

TerraMaster F4 SSD NAS 初期設定のスーパーユーザー作成画面。ユーザー名とパスワードを設定して管理者アカウントを作成する。
TerraMaster F4 SSD NASの初期設定で表示されるスーパーユーザー作成画面。rootではなく管理用アカウントを新規作成する。

ここで設定するメールアドレスを使ってパスワードを初期化することなどもできますので、非常に便利になっています。

TerraMaster F4 SSD NAS 初期設定のセキュリティ用Eメール登録画面。確認コード入力欄あり。
TerraMaster F4 SSD NASの初期設定で、セキュリティ用のEメールを登録し、確認コードを入力する画面。

F4 SSDのサマリ画面

サマリ画面ではF4の稼働状況を確認することも可能で、CPUやメモリの利用状況から、温度なども確認できます。基本的に障害などが起こらない限り見ることもありませんが、UIとしても見やすくなっています。

TNASのシステム概要画面
TerraMaster F4 SSD NASの管理画面で表示される概要情報。CPU・メモリ使用率、温度、ネットワーク情報などが一覧表示されている。

ストレージ領域の作成

初期セットアップが完了してもストレージプールとボリューム、共有フォルダの設定をしないとまともにNASを使うことはできません。ここでは当方が設定した手順をご紹介します。

TerraMaster NASのハードディスクドライブ管理画面で、M.2 SSDの状態を表示している様子。
TerraMaster NASのストレージ管理画面で、M.2 SSDスロットの使用状況と状態を確認できる一覧。2台が正常稼働、残り2スロットは空き。

初めにストレージプールを作成し、この中にボリュームを作ります。

TNASコントロールパネルのストレージプール設定画面
TerraMaster F4 SSD NASのTOS内でストレージプール作成を開始する画面。ストレージマネージャーから操作可能。
TerraMaster F4 SSD NASでストレージプール作成画面を表示。2台のNVMe SSD(各2.04TB)をRAID 0で構成し、合計容量4.08TB。
2台の2.04TB NVMe SSDをRAID 0構成でストレージプールを作成する設定画面。合計容量は4.08TBになります。
TerraMaster F4 SSD NASのストレージプール作成後に表示されるヒントメッセージ。ディスクスペース利用のためにはボリュームとファイルシステムの作成が必要と案内。
ストレージプール作成後、ボリュームとファイルシステムを作成しないとディスクスペースが利用できないことを示すヒント画面。

ここからボリュームの作成に入ります。ボリュームを作成すれば、あとはこのボリューム内に共有フォルダを作成し、ユーザー指定などでフォルダを見れるようにすることができます。

TerraMaster F4 SSD NASの管理画面で、既存ストレージプールにボリュームを作成する選択画面。
既存のストレージプールにボリュームを作成するか、新しいストレージプールを作成するかを選択する画面。
TerraMaster NAS管理画面でRAID 0構成のボリューム作成設定画面。
TerraMaster NASの管理画面で、RAID 0モードのボリューム作成を設定している様子。総容量は約3.77TB。
TerraMaster F4 SSD NAS 管理画面のボリューム設定。BTRFS形式で正常稼働中。
BTRFS形式で構成されたボリューム1が正常稼働しているTerraMaster F4 SSD NASの管理画面。

ここからが共有フォルダの設定で、共有フォルダをユーザー指定で見えるようにしてあげます。例えば、Aさんには映画フォルダを見せるけど、Bさんには映画フォルダを見せないようにするなど制御できます。

TNASの新しい共有フォルダ作成画面
TerraMaster F4 SSD NASの管理画面で、新しい共有フォルダを作成する設定ウィンドウ。名前や保存先ボリュームを指定可能。
TerraMaster F4 SSD NASの共有フォルダ作成画面。暗号化やゴミ箱機能などのオプション設定を行っている様子。
新しい共有フォルダ作成時の設定画面。暗号化やゴミ箱機能、管理者のみアクセス許可などのオプションを選択できます。
TerraMaster F4 SSD NASの共有フォルダ作成画面で、アクセス権限の設定方法を選択している様子。
新しい共有フォルダ作成時に、ユーザー単位やグループ単位でアクセス権限を設定できる画面。

この記事で作成したストレージプールはRAID0のため、ホットスペアは利用できませんが、RAID5やRAID6などを構成する場合は、SSDが故障すると同時に、ホットスペアをRAIDに組み込みデータロストを防ぐ動作をしてくれます。今後はSSDを2個追加してRAID5で組みなおすのでその際には設定を検討します(おおそらく4本のRAID5にしますが、、、)

TerraMaster F4 SSD NASの管理画面、ホットスペア設定ページ。現在はホットスペアが作成されていない状態。
NASのドライブ障害時に自動で代替として使用されるホットスペアの設定画面。現在はホットスペアが未作成の状態。

ユーザー設定やネットワーク設定

TerraMaster NAS管理画面で新しいユーザー作成フォームを表示している様子。
TerraMaster NASのユーザー管理画面で、新しいユーザーの名前やパスワードを入力して作成するフォームを表示している場面。

LDAPなどディレクトリサービスも使えます。家庭でディレクトリサービスを使うことはないでしょうが、企業向けの使い方もできるという安心感があります。

TerraMaster F4 SSD NASの管理画面、ドメイン / LDAP設定ページ。ドメイン名、ユーザー名、パスワード、DNSサーバーなどの接続情報を入力する画面。
NASをドメインまたはLDAP環境に参加させるための設定画面。ドメイン情報や認証情報、DNSサーバーの入力項目が用意されている。
TerraMaster F4 SSD NASのネットワーク設定画面(基本タブ)
TerraMaster F4 SSD NASのネットワーク設定(基本タブ)では、IPアドレス、デバイス名、HTTP/HTTPSポートなどを指定可能。
TNASのIPv4ネットワーク設定画面
TerraMaster F4 SSD NASの管理画面で、LAN1のIPv4アドレス設定を編集している画面。DHCPまたは手動でのIP入力が可能。

写真を一眼カメラなどで撮影する方には便利な機能でFTPがあります。これによりカメラ側で撮影した写真をそのまま、FTPでNASに転送することもできます。

NAS管理画面でのFTPファイルサービス設定画面
TerraMaster NASの「ファイルサービス」設定画面。FTP、NFS、Rsync、WebDAVなど複数のファイル共有プロトコルを有効化できる。

SSHやTelnetも利用可能なため、コマンドラインで操作することも可能です。Linuxベースなので当たり前ですが、ありがたい機能です。アプライアンス製品はカスタマイズがゆえにコマンドラインでは操作できず、WebUI飲みになる製品もあるためプラス評価です。

TerraMaster F4 SSD NASのターミナルとSNMP設定画面。TelnetやSSH接続の有効化とポート設定が表示されている。
管理者がTelnetまたはSSHを有効化し、接続ポートを設定する画面。外部アクセスや管理用途に利用可能です。

こちらの機能を設定すると、インターネット越しにアクセスできるになります。非常に便利なため、当方はF4-423でも利用しています。

TerraMaster F4 SSD NASのリモートアクセス設定画面。TNAS IDとパスワードを入力して、外部からNASに接続できるようにする。
TNAS IDとパスワードを登録し、TNAS MobileやTNAS PCアプリから外部アクセスを有効化する設定画面。
TerraMaster F4 SSD NASのスケジュールタスク作成画面
TerraMaster F4 SSD NASでは、定期実行タスクや再起動、サービスの有効化/無効化をスケジュール設定可能。

豊富なアプリ

標準搭載のTOS 6.0は、Plex、Jellyfin、Docker、VM、AI写真インデックス機能など、家庭用・小規模オフィスに使えるアプリが揃っています。また、TrueNAS SCALEやProxmoxなど代替OSも導入可能な自由度の高さが魅力です。

TerraMaster F4 SSD NASのアプリセンター画面。バックアップ、クラウド同期、メディアサーバー、開発ツールなど多彩なアプリが一覧表示されている。
NAS機能を拡張できるアプリの一覧。バックアップ、クラウド同期、マルチメディア、開発ツールなど多様なカテゴリからインストール可能です。
TerraMaster F4 SSD NASのアプリセンター画面。各種アプリやサービスを一覧から選び、NASにインストールできる。
アプリセンターでは、メディアサーバーやバックアップ、ファイル共有、開発用ツールなど、NASの機能を拡張できるアプリを簡単に追加できる。
TerraMaster NASのアプリセンター画面。WebサーバーやDocker Manager、Emby Serverなどインストール可能なアプリ一覧が表示されている。
TerraMaster NASのアプリセンターに並ぶ多様なアプリケーション。Webサーバー、Docker Manager、Emby Serverなど、NASの機能を拡張できるソフトウェアが揃っている。

Photoアプリ(ブラウザ)

iPhoneの写真をバックアップ機能でアップロードし、Photosアプリで場所や人物判定をしてもらいました。TOSバージョンの違いか、TOS5では人の判別が怪しかったですが、かなり制度が良くなっている印象です。
長男と次男は月齢が近いと間違えていることもありますが、他人と同じ判定をされることはなさそうです。

「人物」タブで表示された顔認識された人物一覧(モザイク処理あり)
「人物」タブで、AIによって認識された人物のサムネイル一覧を表示した画面。名前が付けられた人物と、まだ名前が設定されていない人物が分けて表示されている。

場所やシーンについても同様に下図のように分けられます。

場所別ビューで、日本国内で撮影された写真一覧が表示されている画面
「場所」タブで日本を選択した際に表示される写真一覧。人物や風景、観光地での撮影などが含まれている。

モバイル版TNASアプリのバックアップ

TOS5から大きな変化は見られませんが、自動バックアップ機能によりiPhoneやAndroidの写真を自動で同期可能です。

転送速度

転送速度をiperf3とファイルコピーで確認しました。LANの仕様通りの速度が出ており非常に満足のいく数値です。ファイルコピーでも規定通りの速度であり、何ら不満はありません。

EOS R7で撮影したRAWファイルをSDカードからミニPC経由もしくはUSB接続で直接アップロードすると、SDカード側の読み書き仕様の上限(280Mb/s)に当たります。

iperf3

TerraMaster F4 SSD NASとWindows PC間で実施したiperf3によるネットワーク速度計測結果。約4.2Gbpsの通信速度を記録。
Windows PCとTerraMaster F4 SSD NAS間でiperf3を使用し、10GbE環境下で約4.2Gbpsの通信速度を計測した結果。

ファイルコピー

ミニPCのNVMe↔F4 SSDを双方向で書き込み

TerraMaster F4 SSD NASのファイル転送速度テストで約521MB/sを記録
TerraMaster F4 SSD NASのファイル転送速度テストで約521MB/sを記録

F4-423(NVMe)→F4 SSDに書き込み

TerraMaster F4 SSD NASの転送速度テスト中の画面
Windows環境からTerraMaster F4 SSD NASへの大容量動画ファイル転送テスト。約325MB/sの速度で転送中。

F4 SSD→F4-423(NVMe)に書き込み

WindowsエクスプローラーでNAS間のファイル転送を行い、速度計測中の画面。約279MB/sの転送速度が表示されている。
NAS間で大容量動画ファイルを転送した際の速度テスト結果。最大約279MB/sの高速転送を記録。

F4 SSD→F4-423(RAID5+HyperCache)に書き込み

意図的にキャッシュ切れをおこして転送速度にどのような影響があるかを確認しました。当方のF4-423はHyperCacheを有効化していますが、十数ギガのファイルをコピーするだけでこのありさまであり、HDDの限界を感じます。SSDを搭載するNASには5Gbpsや10GbpsのNICが必須です。

TerraMaster F4 SSD NASでの速度テスト結果。平均転送速度は約110MB/sを記録している。
Windows環境でのTerraMaster F4 SSD NAS速度テスト。大容量動画ファイル転送で約110MB/sの安定した転送速度を実現。

F4-423(RAID5+HyperCache)→F4 SSDに書き込み

WindowsエクスプローラーでTerraMaster NASに接続し、大容量動画ファイルをコピー中の様子。転送速度は約262MB/sを記録している。
TerraMaster NASに対して大容量のMOV動画ファイルをコピーした際の転送速度テスト。実測で約262MB/sの高速転送を確認できた。

読み書きの総評

NIC規格通りの速度が出ており、非常に満足しています。AppleProResの動画は2.5Gbpsくらいでも余裕で再生できますが、他の操作も重複する場合には、5Gbpsの恩恵を感じられます。
この速度がF8 SSDなど上位モデルの10GbpsNICだとどうなるのか体感してみたいところです。

おまけ:仮想環境(ESXi)での動作

NASを仮想環境のストレージ領域にすることも可能です。当方がESXiとvCenter環境を運用していた限りストレージのRead/Writeが100Mbpsを下回るとPSODになります。本機ではどちらも500Mbps近い値が出るため運用も問題ないといえます。が、本機を仮想化基盤とするならCPUとメモリの仕様上、おすすめはしません。

メリットとデメリット

メリット

  • 【価格と性能のバランス】SSDベースなのに低価格。
  • 【省スペース・静音性】設置場所を選ばない。
  • 【拡張性】メモリ増設や代替OS導入が容易。
  • 【高速ネットワーク】5GbEで大容量転送時も快適。

デメリット(留意点)

  • CPU性能は控えめ。多重Docker運用や仮想化には向かない。
  • PCIeレーンの割り当てに偏りあり。すべてのSSDスロットで均一性能を望むなら注意。
  • ネットワークポートが1系統のみ。冗長化には別途対応が必要。
  • ECC非対応のメモリ。ミッションクリティカル用途には不向き。

まとめ:エントリーSSD NASの最有力候補

TerraMaster F4 SSD NASは、SSD性能と省スペース性、静音性を兼ね備えたコストパフォーマンスに優れるモデルです。マルチメディアのストリーミングや家庭内バックアップ、軽量なサーバー運用に最適です。

複数のDockerや仮想環境を動かしたい、冗長化が必須、ECCメモリが必要、という方は上位モデルや他ブランドを検討してください。しかし、日常的なNAS運用で“SSDの速さを手軽に味わいたい”ユーザーには非常に魅力的な選択肢です。

と言いつつ、読み書きの総評でも記載した通り、NIC側がボトルネックになるため、F8 SSDなど10GbpsのNICを搭載したモデルが欲しいのが、実情です。今後の状況によってはF8 SSD Plusなどもレビューしてみたいです。

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