2025年8月20日、米国国家情報長官は、英国がAppleに対して全世界のユーザーデータへのアクセスを求めていた物議を醸す要求を撤回したと発表しました。
Thank you for reading this post, don't forget to subscribe!米国の反応と背景
米国のトゥルシー・ギャバード国家情報長官は、X(旧Twitter)において「英国は、米国市民の暗号化データへのアクセスを可能にする『バックドア』要求を取り下げ、我々の市民的自由を守った」と投稿しました。
この件について、Appleは公式にはまだ政府からの正式な通知を受け取っていないとしています。
英国政府の立場
英国政府報道官は「運用に関する事項にはコメントしない」としつつ、米国とテロや児童虐待などの重大な脅威に共同で対応してきた歴史を強調しました。
英国は2024年12月、Appleに対して「世界中のユーザーの暗号化データへのアクセスを可能にするように」という正式通知を発行していました。
Appleの対応
Appleは「バックドアやマスターキーを製品に組み込んだことはなく、今後も行わない」と表明。対応として、英国市場からAdvanced Data Protection(ADP)を撤退させ、さらに法的措置に踏み切りました。この審理は2026年初頭に予定されていましたが、今回の撤回により継続されるかは不透明です。
プライバシー団体の反応
この「バックドア」要求は、市民団体やプライバシー保護団体から強い批判を受けていました。Libertyのサム・グラント氏は「もし撤回が事実なら非常に歓迎すべき決定だ」と述べました。
同氏は「このような要求は無謀かつ違法である可能性があり、政治家やマイノリティ、活動家を危険にさらす」と指摘しました。
Open Rights Groupのジム・キロック氏も「英国の暗号化に介入する権限は依然として法律に残されており、将来的に再びリスクになる」と懸念を示しました。
米国議会からのコメント
米国の民主党上院議員ロン・ワイデン氏は「もし英国が本当に要求を撤回したのであれば、安全な通信を重視するすべての人にとって勝利だ」と述べました。ただし、「合意の詳細が非常に重要である」とも付け加えました。
今後の展望
すでに米英間には「データアクセス協定」が存在し、両国の法執行機関が情報を共有できる仕組みがあります。今回の撤回によってAppleと英国政府の法廷闘争がどう変化するかは、今後の注目点となります。
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